ペットボトルのリサイクル工場を見学して2019年11月に、大阪の環境団体主催の「ペットボトルリサイクル工場見学」にJ.E.E.として参加した。関西空港の近くにある“ウツミリサイクルサービス”という工場である。広い敷地には回収されたペットボトルが四角く束ねられて屋外に積まれ、数億円投資した大きな設備は屋内に並んでいた。 社長の話によると、27年前に創業したが、再生プラスチックを使おうという企業がなかなか現れないことから、経営は大変だった。しかし2年前、急に風向きが変わった。ヨーロッパでは、プラスチックの海洋汚染が問題となり、ダボス会議では「2025年までに、レジ袋、ストローなど使い捨てプラスチック製品にはバージン材料を使ってはいけない。再生プラスチックしか使えない。」という合意がなされ、急速に企業も方向転換したからだ。 そしてヨーロッパ各地から関係者が、リサイクル技術の進んでいる日本に、この会社に、再生プラスチックを入手できるかどうかを見に来た。そして工場設備に加え労働環境をチェックしていった。その結果、リサイクル技術はもちろんのこと児童労働はしていない、外国人を同じ条件で雇っている、など労働者の権利を守っていることも評価され契約が結ばれた。そして、ヨーロッパの企業へペットボトルの再生素材を納めることになった。ヨーロッパの意識の高さと早い行動力に驚いたという。 リサイクル素材は容器や包装のみならず、現在ではフリースや靴などの衣料品にもたくさん使われている。材料は同じポリエステルなのだから。写真撮影は許可されていないのでお見せできないが、すべて社長や従業員たちで考えた設備や機械が並んでいた。現在日本中のペットボトルのリサイクルは65万トン/年だが、そのうちの3万トン/年をここで処理しているという。 素晴らしい回収システムと最新のリサイクル技術を持っておられることに感心したが、リサイクルには多くのお金とエネルギーを使っていることを今回もまたひしひしと感じた。そして、リサイクル事業は、世界の環境に関する行政の動きや、企業の製品作りに大きな影響を受けることも分かった。 しかし、地球温暖化を危惧する一市民としては、J.E.E.のメンバーとしては「ペットボトルは使わない。お茶はやかんで沸かして、水筒に入れて持ち歩こう!」というライフスタイルがいちばんよいと思わせられた見学会でした! |