ネパール便り(2)プラムド・ラムサル(在ネパール) 多様な生態系をもつネパール ネパールは多種多様な種が共存しており、それは壮大な地形、異なった環境や多様な気候風土によります。 環境問題とその解決策の鍵1.ネパールの自然環境は多種多様であり繊細です。急速な人口増加は自然資源に圧力をかけており、特に水質、土地、森林への負担が問題です。ヒマラヤ山脈地域とTerai地域との間は、穀物栽培、牧畜、住居として森林が伐採されています。モンスーンの時期には、地すべりや地盤沈下、斜面が不安定になったりすることはよくあります。植物が減ったり、水管理がなされていなかったり、工事などで悪化しています。そのためモンスーンの度に、多量の土砂が山の上から流れています。人口増加とともに、無計画な土地、道路開発がすすみ、森林が減少しいます。そして少ない土地を農地のために開発し、都市も不規則に広がっていて廃棄物やいろんな公害で環境の悪化を引き起こしています。カトマンズ渓谷の大気、水質汚染は特に深刻です。工業地域は限られていますが、地域にあらゆる公害問題をまねいています。 2.急激な環境や自然資源破壊がすすみ、貧困層の人々にとっては、最低限必要なものを満たし自活していくことがより困難になってきています。そのため、さらに森林破壊が悪化、水質汚染や土壌生産力も低下しています。そして土壌、大気汚染も悪化させることに繋がっています。このように環境破壊と貧困が絡み合っているので、ネパールにとって貧困対策と開発のためには、資源の持続可能な利用が必要でしょう。 3.過剰開発のため、ネパールの森林は激減しています。1964年に640万ヘクタールあった森林も2000年には390万ヘクタールまで減少しました。1970年代に国土の37%を覆っていた森林は1990年代に29%となりました。エネルギー資源としては、薪を調理や暖房として使っています。これが森林伐採の主な要因ともなっています。木材はインフラ開発にも使用されています。道路、学校、ビル、住居などです。これにより、地すべり、土壌流出、洪水、動植物の減少の原因となっています。 4.ネパールはあらゆる気候も多様なため、動植物も多種多様に豊かです。8つの気候ゾーンがあり、植生も35タイプあります。100種以上の哺乳類、800種の鳥類、600種の蝶、多くの無脊椎動物、5,000種以上の花、約200種のシダ類をみることができます。森林破壊も一つの要因となって、いくつかの種は絶滅の危機に瀕しています。 (つづく) |