「ライフスタイル見直しフォーラム」に参加して
さとう よしゆき
環境省主催の「ライフスタイル見直しフォーラム」というのが2000年ころから毎秋に東京で開催されていて、過去何回か参加しています。今年は、新宿御苑で開催され、11月11日、その1セッションの「もったいないから始める!」という講演を聴きました。「大江戸リサイクル事情」「大江戸エネルギー事情」などの著書で有名な石川英輔氏の話を一度聞いてみたかったからです。氏の話は期待通り面白く、直接話が聞けて有意義でした。内容は、先の二つの著書の内容とほぼ同じで、資源エネルギー消費において、江戸時代が太陽エネルギー依存型なのに対して、現代は完全に持続不可能型というお話でした。ちなみに、氏の印象は、話し方が映画監督の山本晋也氏、外観が白川英樹博士でした。
毎日新聞記者の大迫麻記子氏が、石川英輔氏の話に続いて、毎日新聞で「食の現場から」という特集記事のチームで、コンビニからの食品廃棄の問題を取材し、見聞したことを紹介されました。コンビニ店主(フランチャイズ)が食品廃棄物を削減しようとしても、本部がそれを許さない仕組みがビルトインされていることが分かりました。いつでもなんでもある、というコンビニのポリシーをまもるため、売り切れは許されないので、必ず廃棄物がでる、また、ボリューム陳列したほうが物が売れるので、量を多く仕入れることになり、したがって廃棄物がでる、というのが現実だそうです。このようなことから、コンビニ業界の管理会計では、売り上げ増のため、廃棄分(ロス)をカウントしないようにしているのだとか。したがって、粗利=売上高ー売上原価+ロスになってしまいます。本部は、フランチャイズからロイヤリティ(粗利の約60%)を多く吸い上げようと、ロス(廃棄)を奨励してしまう、という図式になるのだそうです。この方の話はとてもうまく、また、取材して欲しい環境問題があればどしどし申し出てください、とメアドも紹介(kankyo@mbx.mainichi.co.jp)されました。関西の方のようなので、JEEで何かのとき是非講演してもらうと良いと思うます。この話を聞いて、以前聞いた下記ポッドキャスト(コンビニのアルバイト店員が廃棄物作業を嘆く話)を思い出しました。
http://podcast.beachfm.jp/mp3/book20060403.mp3
★石油枯渇時代の警告映画がインターネットで見られます
THE END OF SUBURBIA: Oil Depletion and the Collapse of The American
Dreamという石油枯渇時代の警告を訴えるDVDが昨年米国で作られたことをご存知の方が多いと思います。見たいなとは思いつつ私は入手が面倒だったので、1年以上が経過してしまっていました。10月26日にYouTubeにアップされたことを知り、見てみました。インターネットで簡単に見られます。http://youtube.com/watch?v=Q3uvzcY2Xug
期待通りの興味深い映画でした。内容は、安い石油に支えられ拡大してきた米国型生活のここ100年ほどの歴史、および石油枯渇時代への警告と改革提言です。52分とちょっと長いですが一見の価値があります。映画にでてくる1950年~60年ころの米国の映像は、子供の頃、先進国の生活として脳裏に焼きついたもので、懐かしくもありました。
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